ひとす@PNG
2010年1月パプアニューギニアに派遣された青年海外協力隊・理数科教師の活動記
6/6 コロス

コロス・・・・ピジン語で怒るという意味。

6月4日 金曜日 午後4時 我が人生に最大の危機が訪れた。

放課後、私は校長に車(小型トラック)でココポタウンまで連れてってもらうことになっていた。

運転席に校長、助手席に教頭、後ろの荷台に俺と大勢の生徒。

車で10分ほど行くと『ジャンクション』という十字路があるのだが

車に乗っていると、大量の生徒がそのジャンクションに向かって歩いている。金曜日は寮の生徒が故郷に帰るのだが、にしても多い。

俺はのん気に手を振っていた。

よく見るとラバウルに住んでる奴も同じ方向に歩いている。

ひ「おかしいな・・・」

そしてジャンクションに着くとそこには大量の生徒。

パトカーもいたが、うちの車と交代するかのように帰っていった。

ひ「な、なんだ?これなに?」
生徒「ファイトだ。あそこにマラバガの生徒がいる。」

なるほどブッシュにマラバガの生徒らしきやつらが鋭い視線をこちらに送っている。

マラバガというのは最近得た情報によるとVUVUの敵らしい。
そして、インタースクールでも喧嘩騒ぎになった。

まだ、続いてたんか・・・。

校長と教頭は生徒を誘導して次々にバスに乗せ、家に帰らせている。

ひ「そのために校長と教頭ここに来たんか・・・。」
校長「これ終わったらココポ行くから!外暑いから前座っとけ。」

そう言われたので俺は運転席に座った。

戦争
勢力図
緑・・・マラバガ(数十人?ヴレッジピーポーも混ざっている?)
青・・・VUVU(300人?)
赤・・・ひとす(なんでおれここにいるの?)
白・・・一般人(ピリピリムード)

校長達の働きによって生徒の数が段々と減ってきた。

しかし、それを待っていたのか、マラバガの生徒が急に騒ぎ始めた。

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイ!!!!!!!!」

同時に大きな石が俺の目の前を飛んだ。

戦いの火蓋が切って落とされた。

両軍の唸り声とともに石が飛び交う。

2つ目の石は俺の乗っている車のフロント

ガラスを直撃!ガラスはメキャメキャにな

り、細かい破片が顔に当たる。

さらにフロントガラスに次々と石が衝突した。

マラの生徒は石を持ってこちらに向かって

くる。

「STOP!!」と叫ぶも届くわけも無く、

このままだと死ぬと思い、車を出て横に隠れる。

マラの生徒が荷台にのぼり俺に向かって吠えている。

VUVUの生徒が俺を呼んでいる。「こっちだ!」

俺は見方の方へひたすらに走った。

生徒達は次々に石を手に取り、投げている。

カタパルト(パチンコ)で石を飛ばす奴もいる。

石で殴るやつもいる。

「やらなきゃやられる。」

という言葉が頭に浮かび、俺は生徒を止めることが出来なかった。

道路には血だらけの生徒が倒れている。

校長はぐちゃぐちゃになった車で何人かの

生徒と俺を拾い上げ、猛スピードで元来た

道を戻った・・・・。


とりあえず、戦線離脱。一緒に乗っている生徒は頭から血を流している。よくみるとこめかみの上が凹んでいる。

警察を呼んで、再び戦場に戻る。

銃を持った迷彩服の警官が間に入り、鎮圧している。

しかし、まだ石を投げる奴がいる。お互いまだ緊張状態だ。

私達は戦場を後にし、ココポへ向かった。

銀行へ行き、買い物を済まし、PMVで帰る。辺りはもうすっかり暗い。

俺はまだ心が沈んだまま立ち直れなかった。

ここまでで得た情報
・ VUVUの生徒は一人意識不明で病院へ。
・ ブッシュナイフで首を切られた生徒もいる。
・ マラの生徒は多数病院へ。
・ このような戦いは5年前から続いている。インタースクールでは毎年乱闘事件。
・ 先日のインタースクールではVUVUの卒業生がマラをピストルで射殺未遂?威嚇射撃?
・ マラの帰りのトラックをVUVUの生徒が石を投げ、女子生徒の頭部にあたり病院送りに。
・VUVUの生徒達は次の報復プランを計画中。

さらに学校に帰ってくると。生徒が

「夜にまたファイトしたらしい。VUVUの生徒が仲間を集めて
マラを襲撃したんだ。5人ぐらい全員ぶったおしたんだぜ!」

なにがそんなうれしいのか。

私は悲しくてたまらないのに生徒達は平気な顔して笑っている。

「VUVUは強い!あいつらが悪い!あいつらが仕掛けた!
また復讐する!一人殺すまで止めない!」

失望した。

さらにある教員の一言。

「お前はジャンクションにいたのか。なんで戦わなかったんだ!俺だったら戦う!そしてあのバカな連中をやっつけるんだ。PNGでは復讐!復讐!それでいいんだ!」

生徒が死ぬかもしれんのにそれが教師の言うことか。

次の日。

ココポマーケットでVUVUの生徒がマラの生徒を襲い、病院送りにするという事件があった。

何人かの生徒が武器を持ってマラの生徒を探しにココポまで降りてきているらしい。

武器の中にはダイナマイトもあるらしい。校長の車をやられた仕返しににマラのトラックにダイナマイトを仕掛けるのだという。

なんで?どんな教育受けてきたんだよ!PNGトップ校よ!

彼らのことがまったく理解できない。
人を殺すことを何とも思わないのか。
死ぬのが怖くないのか。
自分は死なない、怪我しないと思っているのか。
復讐が復讐を呼ぶのを分からないのか。

攻撃的なのが少数派ではなく多数派であることが信じられない。 これは文化であり、元々の性格なのだろう。
部族闘争やラグビーの試合、酔っ払い同士の喧嘩で殺し合いになるという注意を受けたがなるほどこういうことか。 怒る=コロスの文化。

PNG・・・狩猟民族。
陽気。楽天的。計画性なし。そして、攻撃的。

JPN・・・農耕民族。
計画的。神経質。保守的。

正反対だ。そして宗教も・・・。

PNG・・・キリスト教?かなり怪しい。
聖書に書いてあることに従う。

JPN・・・儒教、仏教、神道など。
道徳教育。人間の価値は現実の人間の存在と行為によって決まる。煩悩を断ち悟りを開く。自然崇拝。先祖崇拝。


この国の人を理解するのは難しい。変えるのはもっと難しい。

NO MORE FIGHT!いつか分かってくれ。

Comments
Comments
久しぶり。
たまにのぞかせて貰ってるよ。
ブログおもしろいね。
でも今回ばかりはなんだかえらい目に遭ったね。
無事でなにより。
今回だけで終わらなそうなのが怖いけど
気をつけてね。
無意味な戦いだと気づいてほしいもんだね。
ウズ@向上
2010/06/10(木) 01:37:31 | URL | ko−jyo #- [ Edit ]
憎しみ
こんなワシでもこの世界に憎しみがはびこっているのは分かる。

その憎しみをどうにかしたいとは思っとるんだがどうしたら良いかワシにもまだ分からん。

だがいつかは人が本当の意味で理解し合える時代が来るとワシは信じとる。


難しいがその答えを共に考えるとしようかのぉ~
2010/06/11(金) 22:54:42 | URL | 自来也 #- [ Edit ]
はろー。
平和と思われたkokopoも結構危ないな…。Wewakは以外と平和やでー。(俺だけかもしれんが。)
最近Spak mangiをも手名付ける術が身についてきた!
ほんと一緒に無事に任期を満了できる事を願ってます-。
2010/06/11(金) 23:09:46 | URL | mah-kun #- [ Edit ]
Thanks for comments!
Ko-Jyoさん
コメントありがとうございます!ブログ見てくれてたんすね~。俺はKo-jyoさんの報告書勝手に読ませてもらいました。こっちも割礼あるんですよね~。俺もしろって言われます。
ジライヤ様
いや~本当にいつか分かり合える日が来ることを願っている。
まーくん
一緒に帰れるか心配だわw。
俺の生徒が一番危ないかも知らん。spak mangi怖いわ!喧嘩売ってくるし。ぜひその術を教えてくれ!
2010/06/22(火) 19:32:10 | URL | ひとす #- [ Edit ]
よかった。ひとまず「ひとす」が難を逃れて…。今読んでるから、「ひとす」にとっては過去の話なんやろうけど…。すごいね。世の中にいろいろな価値観あるだろうけど「怒る=Fight」につながる文化。壮絶な世界やな~。「ひとす」のこと、心配になってきたわ。ホンマに無事に日本に帰ってきてね!!
2011/02/20(日) 22:17:11 | URL | kaori #- [ Edit ]
Post a comment
URL:
Body:
Edit password:
Private comment: Only the blog author may view the comment.
 
Trackbacks
Trackbacks URL
http://hitos.blog125.fc2.com/tb.php/33-23e0d12c
この記事にTrackbacks:する(FC2 Blogユーザー)
Trackbacks